成立の見込みのないものであっても、交通事故紛争処理センターの審査手続きに適する事案は審査に付されます。審査は交通事故紛争処理センターの審査員3名が合議体を俳成し、当事者からその言い分、斡旋担当弁護士から斡旋の経過を聴取し、審査意見を記截した裁定書が作成され、損害賠償額を決定します。この手続きを経て下された裁定額に対しては、被害者は不服であれば従う必要はありませんが、保険会社はこれを尊重し、従うのが例となっています。交通事故紛争処理センターの前身である交通事故裁定委員会の設立に損害保険会社も関与したため、その審査を尊重することとなったものです。裁定額は保険会社に対し法的拘束力を有するとする説もあります。ただ昨今は保険会社に交通事故紛争処理センターの裁定額は被害者よりにすぎるとの不満が強く、審査に従わない保険会社も散見されたようですが、国会で問題にされたこともあって、保険会社がこれに従わないことはかなり困難になっています。交通事故紛争処理センターの認定する損害額は、裁判基準に準じているようですので、被害者側にとってそれほど不利なものではありません。また裁判所のように管轄がありませんから、被害者にとって都合のよい本部または支部に斡旋の申込をすればよいのです。