ANZ銀行はオーストラリアで第二位の銀行である。元々はイギリスに本部があったが、やがて、オーストラリアに本拠を移し、今ではオーストラリアにおよそ一〇〇〇の支店を持つ。どこにでも店があり、「オーストラリアのセブン・イレブンという感じ」(鳥居部長)だという。ニュージーランドでも、民営化された郵便局を買収したことなどから、二〇〇以上の店舗を持っている。ANZはオーストラリア、ニュージーランドだけでなく、アジア、大洋州に強い銀行としても知られる。大洋州ではフィジーやソロモン諸島、トンガ、サモア、パプアーニューギニアといった国や地域に店舗を持っている。大洋州というとアメリカの銀行が強そうなイメージだが、フィジーで六〇%のシェアを持つなど、ANZ銀行が強い。また、インドに五六の支店を持っている他、バングラデシュ一三、パキスタン一四、スリランカ八というように、西アジアで強いネットワークを誇っている。インドネシア、フィリピンにも店舗がある。さらに、ヨルダンに一三支店を持つのをけじめ、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーンなどにも支店があるなど、中近東でも強い支店網を持っている。これはインド最大の外銀、グリンドレイズを買収し、その支店網を継承したことが大きいが、それだけでなく、この地区に積極的な展開をし、それをANZの特徴にしている考え方からでもある。「インドは二一世紀には、中国と並ぶ世界の強国になると言われていますが、ここに強い支店網と情報、人脈を持つことは、日本企業などに対しても、投資のご相談やアドバイスをする上でも、大いに役に立つと思います。また、同じように発展して、将来の経済大国になることが期待されているベトナムでも、当行は一番初めに支店を出した外国銀行で、強みを発揮しています」(ジョードン日本総代理人)アジア地区だけでなく、ヨーロッパやアメリカにも支店網を持ち、特にロンドンには二〇〇人の行員を抱えているなど、情報獲得、顧客サービスにあたっている。日本国内では、アジア地区からの出稼ぎの人の本国への送金を手助けするサービスをしている。「日本の都市銀行はアジアの人には、何か敷居が高いし、言葉の問題もある。当行はその点、気楽に利用できるし、言葉も対応できる人間や書類を置いています。インドやベトナムでの強さもそうですが、ニッチ・マーケットで強みを発揮する考え方が大切だと思います」特定の強い分野を持ち、そして、会社の方針がはっきりしている。外貨預金でもしっかり利益を上げている。就職先としても、面白いところである。