「私の親もそうでした。私の寮に来てみたくてしょうがなかったんですよ。ときには、自分の娘がそんなに信じられないのかと思ったほどでした」私はうなずいて、少し黙ったが、またしても話が本題からはずれているのに気づいた。「寄り道が長くなったな。どうして、こんな話をしていたんだっけ?ともかく映画を見ていて、われわれの情緒や流儀に合わない場面が出てきても、それを彼ら固有の文化や哲学として認めようとする努力が必要だということさ。もちろんこれも英語を上達させる手段だが、異文化理解のよい機会にもなるからI石二鳥じゃないか」「そうですね」「人によっては、映画を見ながら、やたらと悪口をいう人もいる。たとえば好きな俳優が女たらしの役をやったりすると、それだけで愛想をつかしてしまう女性とかね。もちろんそんなふうに映画を見ていたのでは、何十本見たところで、映画にこめられた芸術性や文化を理解することはできない。こうした誤った感情移入は、自己愛を克服できないことから生じるんだ」
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