はじめに断ってしまうが、私は味オンチである。そうでもいっておかないと、次の告白ができない。なにしろこれから触れようとしているのは、沖縄県民のソウルフードともいわれる「沖縄そば」である。実は私、この沖縄そばに対して、どうにも腑に落ちない思いを抱いている。キライだとかおいしくないとかいおうとしているわけではない。だが、どうにも「沖縄そば」というものを丸ごと受け止めることができないでいる。沖縄に通うようになったはじめの頃、知り合いになったばかりのウチナーンチュに「おいしい沖縄そば屋があるから、ぜひ食べにいこう」と誘われた。その店は、当時も今も「評判の沖縄そば屋」といえばかならず名前が出てくる名店だった。出されたそばを前に、連れてきてくれた知人は私が感動することをみじんも疑わない様子で、そばに箸をつける私の顔を覗き込んでいた。まずはゴックンとスープをいただく。カツオのダシが濃厚でいて実にあっさりとした味だった。で、箸で麺をとってズズズッとすすってみる。ちょっとモソモソモチッとした、噛めばポソポソと切れるような独特な食感は珍しくはあったが、それはそれでアリだと思った。だが私には、器のなかに同居するそのスープと麺に一体感というものが感じられないのである。たぶん、そのとき私が不覚にも浮かべてしまった「?」マークの表情は、せっかく連れてきてくれた知人をかなりがっかりさせたに違いない。なお、沖縄本島には沖縄の伝統の味がいっぱいあるので、沖縄旅行の時には堪能してはどうだろうか。